『ナイアガラ・トライアングル Vol.1』

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76年リリース。山下達郎伊藤銀次と共に曲を持ち寄って出来たオムニバス。坂本龍一が沢山ピアノを弾いている。以前サウンドストリートで山下・坂本ご両名そろい踏みの楽しい回を聴いたが、当時はずっと一緒に遊んでいた仲間だったようだ。ある意味、結成しなかったYMO、あるいは本来の意味ではYMOも時に応じてメンバーを自由に変えるというコンセプトだったので、それを地でいっているユニットとも考えられる。一応Vol.2もあるしね。

『ドリーミング・デイ』に象徴的なように、エコーをかけたある種くぐもった音づくりが第一印象。『フライング・キッド』のエコーも凄い。まるでHOME DEMOのようだ。『パレード』は有名曲だが、坂本のピアノが全編に渡って鳴り響いている。『幸せにさよなら』は伊藤銀次が正月に「できた!」と言って福生の大滝宅に持ってきた程の必殺曲のようだが、佇まいはほのぼのとしている。『新無頼横町』はこれもまた『バンド・ワゴン』のようだ。

『FUSSA STRUT Part-1』はPart2よりスローでためがあるが、これはPart2のオーラにはかなわないな。パーティソングみたいになっている。ここでも坂本龍一ニューオーリンズピアノを弾いているが、確か「これを聴け」とか大滝詠一に色々とセカンドラインものを聴かされて見よう見まねで弾きまくったんじゃなかったかなあ。弾き方がちょっと荒っぽい。

ラジオ番組から生まれた『ナイアガラ音頭』が最後に強烈なオーラを放っているが、単純に際物で片付けるものでもなく、音的な連続性は確保できているような気がした。