カメラ=万年筆『クーデター』

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これはなかなか・・。バンド名がムーンライダーズの作品名だったのでずっと気になっていたこちらも20代の二人組のバンドですが、何とあの時期のライダーズのエッセンスを現代風に解釈したアルバムとなっています。かなりインパクトはありますね。

野宮真貴がゲストボーカルで入っている『降りやんだ雨には悪意が混じる』は比較的ピチカートテイストでポップな楽曲ですが、それ以外はかなりアバンギャルド。でもポップスとしては成立していて先日聴いたcero程の混沌はない。アイディアの断片の集積が楽曲になったような雰囲気で、ジャズやクラッシックの要素もまぶしてあるという結構な離れ業を軽くやってのける才能を有しています。たいしたもんだ。

ホーリーローリーマウンテン』では鈴木慶一がゲストボーカルですが、ほとんど孫のような年齢の若者の曲に参加するというのはどういった気持ちなんでしょう。また迎え入れる側も相当に自信がなければオファーしないと思うんです。音全体に老成した若さが漲っているので緊張感と一種の余裕がないまぜとなった独特の世界が展開されていきます。結構凄い人達。

昨日のスカート同様収録時間が27分程度と短いところもポイント。ここへ来て時代が変わって来ました。大体年代が変わると初期は前年代の余韻を引きずっているんですが2年後くらいから次の兆候が見え始めてくる感覚があるんですね。2012年はまさにそういった年なのかもしれません。