スティーヴィー・ワンダー『心の詩』

f:id:tyunne:20181028110046j:plain

凄いなあ。もう完成してるじゃないか。

72年リリースのこの作品は同年にリリースされた『トーキング・ブック』から怒濤の快進撃を続けるスティーヴィー・ワンダーの序章のようなアルバムだと思っていました。まだ未完成なのかな、と思って大分手を出すのが遅くなってしまったんですが、こいつは凄い!まだ21歳ですよ。なのにこの完成度、貫禄。素晴らしいですね。神業はここから既に始まっていたんです。

モータウンから独立した第一作という位置づけですが、既にこの2作前の作品からセルフ・プロデュースは行っていた。かつシンセサイザーという絶好のおもちゃを手に入れて、それをかくも自然に、かつカッコよくグルーヴィーにきめています。初っ端から音の厚みと劇的な浮遊感に圧倒されてしまいますが、驚いたのは曲の構成。『スーパーウーマン』なんか、ひとつの曲じゃないですよ。途中から次の曲が繋がって2曲分あるような趣です。

『Happier Than The Morning』は聴いたことがある曲でした。このバックの音はギターじゃなくてピアノなんだよな、きっと。それにしても鬼気迫る展開がどの曲にもあって、初期衝動がこの後『キー・オブ・ライフ』まで突っ走って止まらないというのも物凄いことです。もっと早くに聴いておくべきでした。スティーヴィー・ワンダーはもう少し過去にも遡ってみようと思います。