
81年リリースの5作目。ヨーロッパ路線の第2弾ということになりますが、ここで既に完成の域に達していて、揺るぎない印象を与える音楽になっています。
フランス映画に触発されたヨーロッパへの憧れ、という色合いに全てが染まっている訳ではなく、曲によってはサンバのものがあったり、ポップスとして81年当時の音を聴かせるものがあったり、と意外とひとつの色にまとめていない印象もあります。
その後歌い継がれている楽曲がなかったりカバーされてもいないのは、ここでもう完成されていて隙がないから、再解釈の余地がないからかもしれません。世界観が確立されている。しかし、この次に『クリシェ』が来て更なる極みに達することになるので、そういった意味からするとこのアルバムは大いなる過渡期、とも呼べる作品なのではないでしょうか。
聴いていて既にベテランの域に達しているかのような雰囲気があって、ここで終わってもいいような感覚がある。しかし、すぐにまたその先に突き抜けていく訳です。つくづく凄い方だと思います。