72年リリースのこのアルバムはアナログ時代から本当によく聴きました。
この場でも何度か紹介しているビートクラブの映像との出会いが余りにショックだったので、慌てて「I'm Gonna Booglarize You Baby」収録の本作を探しに出かけた記憶があります。きっかけはピーター・バラカンのポッパーズMTVです。
これに痺れてからはや四半世紀。今回リマスターで聴いて初めて聴こえた音があったのには驚きました。細かなギターの呼吸がきちんとフォローされています。
何でこのアルバムがずっと好きだったのか考えてみましたが、やはり全編に渡ってリフの効果が強いのが原因なのではないかと思いました。異なる楽曲に同じリフレインが導入されているものもありますが、総じて聴きやすさを加速させますし、何より音が渋い。低音もガシッと耳を捉えて話さないので、不気味さよりもポップさの方が聴く度に勝ってくる。麻薬みたいなアルバムです。
残念なのは終わり方。「Glider」の最後の音が余韻なくバサッと切られているのは困り者です。