続いてはニューオーリンズのオムニバスです。主に60年代のヒット曲を年代順に収録していますが、やはり後半のミーターズ関連にとどめを刺す感じですね。
前半はほぼオールディーズ系の音で少し退屈ですが、そんな中でも大滝詠一の「楽しい夜更かし」の原曲のようなアーニー・ケイドーの「Mother-In-Low」、どこかで聴いたことのあるアーマ・トーマスの「It's Raining」が印象に残りました。それにしてもアラン・トゥーサンという人は随分と昔から大活躍していたんですね。
白眉は何といってもシリル・ネヴィルの「Gossip」というデビュー曲です。バックはミーターズです。
結局多くの人はドクター・ジョンの『Gambo』でニューオーリンズのドアを開けられて、その後はミーターズ。ネヴィル・ブラザーズで深入りしていった、というのが主に日本における消費のされ方で、そこに細野晴臣や大滝詠一、ピーター・バラカンが貢献している、という認識が正しいのではないかと思います。それがなかったら、こんなに日本でニューオーリンズの音楽は聴かれていないんじゃないかなあ。今回、その源流を探ることが出来ましたが、何にせよミーターズに尽きるというのが率直な感想でした。