MIKADO『冬のノフラージュ』

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細野晴臣のノン・スタンダードから84年にリリースされていたMIKADOの作品が再発されました。これは覚えてます。

当時、FOEで益々過激になりつつあった細野晴臣周辺で一服の清涼剤になっていたこのフランスのユニットは何かにつけて話題になることが多く、一連のYMO関連の活動の中であるひとつのパターンを提示しているように思います。

ここ最近でいえば高橋幸宏のソロ作品にも参加したラリ・プナやスケッチ・ショウの頃に参考にしていた北欧のムーム、また坂本龍一方面でピックアップされるやくしまるえつこや青葉市子など、いわゆる女性のハスキー・ボイスもの。この辺りのテイストは一種の癒し効果を活動全般の中に紛れ込ませることで全体が中和される。その感覚は温かくて同時にどこかヒリヒリとしていて、全体に微妙な緊張感と安心感を与える。MIKADOも何となくそんな存在だったんだろうと思わせるところがあります。

猪瀬直樹の『ミカドの肖像』にも関係しているという話。この本はいずれ手にとろうと思っていたので、当時対談が実現したというエピソードは実に勇気づけられるものでもあります。異分野の興味が不意に繋がる瞬間は楽しいものですね。