トッド・ラングレン『Initiation』

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75年リリースの本作でもトッド・ラングレンプログレ趣味は止まりません。LPのB面はインストの組曲という独特の編成で、発売当時LPの収録時間ギリギリの約35分という大作。並行して活動していたユートピアの作品と共にこの傾向はしばらく続いていきます。

とはいえトッドの描くプログレの世界は徹底しているというよりもどこかポップスの域を出ないとっつきやすいもので、本作でも奏でられる音は決してリスナーを突き放すものではありません。後の2枚組ライブ作品『Back To The Bars』でも他のポップスと併存して本作からの楽曲が演奏され、自然に収まっています。

当時の時代背景は今からだと想像の範疇を出ませんが、恐らくはこれがアップトゥデートなものだったんでしょう。若干冗長にも映る長尺な楽曲の連続は結果的にメロディの秀逸さで色褪せることを拒否し続けている。冒頭の「Real Man」はライブのオープニングで繰り返し演奏されますし、2曲目の「Born To Synthesize」は弾き語りのステージでも披露される声の芸術になっていきます。

中途半端にも思えるこの雑食性がやはり可愛らしく思えてしまうところが結局この人のメロディメーカーとしての魅力なんでしょうね。