ジェームス・テイラー『JT』

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77年リリースの本作を揃えたことで、ほぼほぼ70年代までのJTはコンプリートしたことになります。この『JT』は人気が高いのか、なかなか中古屋でも出物がありませんでしたが、今回サクッと入手できました。

まず、一聴して音がソリッド。基本線はいつものJT節なので、どこを切っても同じような金太郎飴系なのですが、勿論いい意味で変わらない部分と、ならではの部分が同居している良作だと捉えました。それにしても高橋幸宏も言っていましたが、どれを聴いても同じ。だからこその安心感もあるんですが、この一定度合いは本当に凄いです。

体調不良の際にずっとJTを聴いていた時期がありましたが、いわゆる癒し系というのはこの人のためにある言葉なんじゃないでしょうか。気持ちが落ち着きます。細野晴臣もそんなことをコメントしていたような記憶があります。そういう意味で医者かカウンセラーみたいな音楽ですね。

ただ、本作ではレーベル移籍直後、及び原点回帰での初期プロデューサー、ピーター・アッシャーの復活、といった要素も手伝ってか、元気で前向きな印象が響きます。かつ演奏が鋭くなっているのがいい。