74年にリリースされたこの作品には山下達郎がカバーしていることで有名な「ピンク・シャドウ」という曲が入っています。加えて、ティン・パン・アレー人脈の参加というトピックも手伝って、昨今でいうシティ・ポップの名盤として語られている作品。しばらく中古で探していましたが、一向に見つからないので新品で購入しました。
実は98年にブレッド＆バターはカーネーションと一緒にアルバムを出していて、そこでの「ピンク・シャドウ」は極上でした。果たしてオリジナルはどうなんだろう、とずっと気になっていたので今回初めて聴いてみましたが、なるほどプリミティブ。しかしカーネーションのアレンジの方が格段に勝るな。時代が違うから仕方ないですね。
作品を聴いて真っ先に思い浮かんだのはサニーデイ・サービスでした。ちょうど最近聴き直していたところだったので、その原点がはっぴいえんどというよりブレッド＆バターに近かったという事実を再確認しました。声質も似ている。
ジャケットがカーネーションの『a Beautiful Day』の元ネタになっているという発見をしたのも手にとった動機でした。時代に痕跡を残している素晴らしい作品だと思います。
