XTCのこの1stもずっと聴かずにいた1枚です。なぜかというとバリー・アンドリュースが好きになれなかったから。XTCは後追いで聴いていきましたので、どうしてもギターバンドの印象が強くて、キーボードの音が暴れる時期の曲はXTCじゃない、と勝手に思い込んでいたんですね。
しかしながら、その後様々な音源で聴いていくと初期の曲も耳にする機会もあるので、自然とこの1stの収録曲も耳に馴染んでいました。今となっては違和感なく聴ける内容になっています。
やっと聴いてみての印象は、「意外とタイトだな」というものでした。キーボードの音がもっと前面に出てくるかと思ったらそうでもなく、結構ギターが鳴っているし、リズムもタイトで、その中にキーボードの音が練り込まれているというものでした。3rdアルバムの『Drums And Wires』にも若干つんのめった勢いの音も残っていたので、ここでの勢いのある表現がそんなに理解できない訳でもない。
ただ、やっぱり真価を発揮するのは「This Is Pop」や「Statue of Liberty」のような少しテンポの遅い楽曲だと思います。独特のうねりが出るんですね。タメのようなものが。ここから生まれるマジックがXTCの中毒性を増していくんだと思っています。