XTCのいわゆるB面集。シングルのB面やカップリング曲を集めたコンピレーションで、80年代にリリースされた正規録音版でアルバム未収録の音源は、変名バンドも含めてほぼ網羅されています。
ここからもこぼれ落ちる音源もあるにはありますが、それらはCD化の際のボーナストラックや昨今のブルーレイとの2枚組再発でフォローされているので、おおよそはカバー出来ます。難点は音圧が低いことかな。
リリース時には既に様々な形で収集した後だったので、左程新鮮味を持って聴くことはありませんでした。それでもこうした落穂拾いには価値はあります。『English Settelment』の頃のB面曲、「Tissue Tigers」や「Blame The Wether」「Punch And Judy」なんかを初めて聴いた時には卒倒しそうになりましたね。懐かしい。
Three Wise Men名義のクリスマス・シングル「Thanks For Christmas」や鈴木さえ子にアンディ・パートリッジが提供した「Happy Families」のXTCバージョンなど、押さえている範囲は広くて丁寧。それだけに音の悪さがつくづく残念です。冒頭の「Extravert」なんかを12インチシングルで聴いた時の衝撃は、もっといい音じゃないと感動は半減すると思います。
全24曲、70分以上の至福の時。リマスター再発は難しいだろうなあ。