ライラック・タイム『Astronauts』


91年リリースのライラック・タイム4作目。この一つ前の作品がアンディ・パートリッジと組んだ『And Love For All』だったので、引き続き好調なソングライティングが継続しています。本作はスティーヴン・ダフィのセルフプロデュース。

 

ずっとこのジャケットは中古屋で目にしてはいたんですが、手に取った直接のきっかけはカーネーション直枝政広が40周年の書籍で選出している250枚の中の1枚に本作が挙げられていたことです。少し意外な気がしましたが、インスタの解説を待つことにして今はこの音に耳を傾けていましょう。

 

基本的にアコースティックな肌触りですが、冒頭の楽曲のイントロにあるフレーズはジョニ・ミッチェルの「フリーマン・イン・パリス」のようです。あくまで静かに進んでいく。前作でアンディ・パートリッジが増幅させたのはスティーヴン・ダフィの一部の部分だけで、根本はこうしたアコースティックな人。この人は外の血が入った方が面白いな、と思うのはボーナストラックに入っている「ドリーミング」からも明らか。この曲をシングルに引っ提げてクリエイションに移籍したんですね。