ムーンライダーズ

ムーンライダーズ『時代はサーカスの象にのって'84』

寺山修司のロック・ミュージカル用に鈴木慶一が製作したサウンドトラックが再発されました。演奏はムーンライダーズなのでアーカイヴの一環としての再発ですが、ほとんど鈴木慶一のソロのような感じですね。 84年なので時期的には『アマチュア・アカデミー』…

白井良明『FOR INSTANCE』

白井良明の活動45周年の新作は予想通りインスト中心でした。本来ポップセンスも十分で、歌ものでも自在に楽曲作りを行うことができる方ですが、ここでは1曲を除いて全てインストで勝負しています。 まるでギターで歌っているかのようで、まるでギターで喋っ…

ムーンライダーズ『moonriders In Search of Lost Time Vol. 1』

97年に『Damn! moonriders』が出たということはあれは20周年記念の一貫だったんですね。そのCD-ROM+CDは当時のPC環境で何とか再生して観ましたが、それから既に20年。大分通信環境も変わりました。本作はその『Damn! moonriders』に入っていた未発表曲集に何…

『かしぶち哲郎トリビュート・アルバム ~ハバロフスクを訪ねて』

かしぶちさんが亡くなってもう4年も経つのか・・。あの時は驚きました。その直後に大滝詠一さんの逝去と続いた悲しい年でしたが、その1年後にリリースされたこのトリビュートアルバムはずっと手を出せずにいました。今回やっと手にとって聴いてみると、やは…

鈴木博文『Wan-Gan King 30th Anniversary Edition』

鈴木博文の1stも30年前かあ。凄いなあ。ということでデラックスエディションとして再発された2枚組。リマスターされた本編に加えてシングル『どん底天使』と当時のライブが1枚目。2枚目はデモ音源です。デモのクオリティも高いなあ。 それにしたって本作の白…

鈴木慶一とムーンライダース『火の玉ボーイ40周年記念デラックス・エディション』

昨年末リリースされた『火の玉ボーイ』のデラックス・エディションは値段も張ることから手を伸ばすのを若干躊躇していましたが、運良く未開封品が中古で手に入ったので改めてじっくりと味わうことが出来ました。ムーンライダーズがまだムーンライダー「ス」…

鈴木博文『どう?』

「どう?」と聞かれても困るなあ、と相変わらずの直接的なタイトルに困惑させられる鈴木博文の新作。ご本人も帯にコメントされている通り、前作が『後がない』で、さらっと次回作が出てきてしまった軽やかさ。やはりこうでなくてはいけません。前作がラスト…

あがた森魚&はちみつぱい『べいびぃろん(BABY-LON)』

リリースされることを直前に知ったあがた森魚とはちみつぱいの何と新譜!こんなリリースが21世紀に待っているとは誰も予想できなかったでしょう。そもそもはちみつぱいの復活自体があり得ない出来事ですし。 あがた森魚は2020年までの10年間の足跡を意識的に…

白井良明『Of 8 Minutes 7』

先日のレコードストアデイ限定でリリースされた白井良明ひとり40周年の第一弾シングル。売り切れると二度と手に入らないと思いDUに走りましたが、恐らく1枚きりの在庫をきっちり入手しました。アナログの7インチですが、CDも同梱されています。 で、期待して…

『ロック画報読本 鈴木慶一のすべて』

ロック画報が偉いのはサンプラーCDがついているところです。今回は鈴木慶一特集ですが、98年のソロツアー音源をCD化してくれました。 元々鈴木慶一の本が出る出ると言われていて結局延期になり中止になり、結果としてロック画報が引き取ったという形でやっと…

ムーンライダーズ 2016.12.15中野サンプラザライブ

少し前ですが、ムーンライダーズの再結成ライブに行ってきました。さすがにこれが最後かなと思い迷った末に参加しましたが、やはり内容は良かった。セットリストはこちらに上がっています。 http://dailysetlist.net/archives/53367 今回の「活動休止の休止…

はちみつぱい『Re: Again 45th アニヴァーサリー・ライヴ+ラスト・ライヴ1988』

再集結はちみつぱいのライヴDVDは1988年の再結成ライヴとの2枚組で収録時間が4時間弱となりました。ここまでくると、まるで映画を観るような感覚です。 はちみつぱいは元々老成していたバンドでしたので、今回の再集結で楽曲が年齢相応になってきたような感…

WORLD HAPPINESS 2016

今年も行ってきました。夢の島では最後の開催ということで、若干今後の不安を憂慮しつつの参加です。正直なところ、初期よりは大分混雑も控えめになってきている気がするので、快適さは増しましたが、果たしていつまで継続できるのか、という不安がよぎりま…

はちみつぱい『Re: Again Billboard Sessions 2016』

はちみつぱいの楽曲を初めて聴いたのはムーンライダーズの10周年記念コンサートの映像だったと思います。「塀の上で」が唐突に演奏されたんですが、当時まだ駆け出しのファンでしたので、「この渋い曲は一体何だ?」と気になって仕方ありませんでした。その…

ムーンライダーズ『Dream Materializer PLUS』

最後は映像集です。『ANIMAL INDEX』発売時にビデオ化された映像に、『Don't Trust Over Thirty』時のテレビ出演映像、かつ10年飛んで20周年の際に岩井俊二監督で制作された「ニットキャップマン」をモチーフにした短編映像を追加した豪華版です。 まずは『D…

ムーンライダーズ『Don't Trust Over Thirty』

86年というムーンライダーズにとって怒濤の一年はこの10周年記念アルバムでほぼ幕を閉じたといっても過言ではないでしょう。鈴木慶一は鬱病が悪化し、かしぶち哲郎は入院してしまう。12人編成のスーパームーンライダーズでの強烈なライブ活動、その後5年間の…

ムーンライダーズ『The Worst of MOONRIDERS』

86年という年はムーンライダーズにとって記念すべき10周年の年であったと同時に活動のピークを極めた時期でもあります。とにかく強烈な仕事量ですが、その中でもこの過去のライブのアーカイヴは特異な作品でした。はっきり言って後追い型の自分にとっては余…

ムーンライダーズ『T・E・N・Tレーベル 30th Anniversary MOONRIDERS IN T.E.N.T YEARS 19851986 』『ANIMAL INDEX』

ビートニクスに続いてムーンライダーズのTENT期の作品もボックス化されました。これは嬉しい再発です。 内容的には当時のオリジナルアルバム2作品とアーカーヴのライブ盤、更に映像集も付けて何と岩井俊二監督の『毛ぼうし』まで入っているという豪華仕様。…

はちみつぱい『センチメンタル通り』

恐ろしく老成したデビューアルバム。無敵のオープニング「塀の上で」を初めて聴いたのはムーンライダーズの10周年コンサートの映像でした。「この曲は一体何だ」と遡っていったら前身バンドに行き着いた。これがスタート地点だったなんて何てことだろう。 は…

鈴木慶一とムーンライダース『火の玉ボーイ』

76年という年は細野晴臣のトロピカル三部作の真っ最中で、かつ矢野顕子の1st『ジャパニーズ・ガール』やあがた森魚の『日本少年』といった重要作品がリリースされた時期にあたります。本作はそういった背景の元、『トロピカル・ダンディー』に端を発した無国…

ムーンライダーズ『イスタンブール・マンボ』

初期のムーンライダーズは昔の音源に行けば行く程良くなって来るんですが、赤いアルバムに一歩譲る3作目。ここは「週末の恋人」で決まりでしょう。 バイオリンがメンバーにいるという特徴を最大限に活かした珠玉の名曲は岡田徹のハース・マルティネスばりの…

ムーンライダーズ『ヌーヴェル・ヴァーグ』

遡って聴いていったムーンライダーズの初期作品の中でも前作に続いて地味な印象を残したアルバムです。今聴くとなかなかいい曲もあるし、冒頭の「スイマー」なんかはその後も何度もライブで演奏された有名曲。マンフレッド・マンのカバー「My Name Is Jack」…

ムーンライダーズ『MODERN MUSIC』

このアルバムは「バック・シート」に尽きますね。かしぶち哲郎の名曲がこのアルバム自体を牽引している。 ニューウェーブ一歩手前の前期ムーンライダーズの朴訥とした到達点。実は『カメラ=万年筆』からこの作品に遡るには随分と時間がかかりました。はっぴ…

ムーンライダーズ『カメラ=万年筆』

ムーンライダーズがニューウェーブに舵を切った80年代の幕開けを告げる作品。遡って聴いた際にはその剥き出しの勢いに圧倒されました。 アマチュアの革新。すべての曲名が映画のタイトルからとられており、映画の内容を知るものからすると内容のギャップも楽…

ムーンライダーズ『青空百景』

82年リリースということはビートニクスより後なんですね。お蔵入りになった前作『マニア・マニエラ』と対になるムーンライダーズの決定盤。名曲揃いです。 A面はすべてがキャッチー。「僕はスーパーフライ」はCM曲にもなったそうですが、なにせリアルタイム…

ムーンライダーズ『アマチュア・アカデミー』

ムーンライダーズで最初に買った作品がこれ。3年前にビートニクスの1stが出ているので、その絡みで手を伸ばしたんだと思います。千葉の駅ビルで購入しました。 最初に聴いた印象はアノニマスなものでした。矢野顕子が当時言っていたようにメンバー6人の声…

ムーンライダーズ『ANIMAL INDEX』

実は一番好きかもしれないムーンライダーズの85年リリース作品。当時高校生でしたが、前作の『アマチュア・アカデミー』が周囲の一握りの友人に受けが良かったのでこちらも薦めた記憶があります。確かコンサートも行ったはずですが、メンバーが幕の向こうに…

ムーンライダーズ『最後の晩餐』

結成10周年の狂騒の後、5年のインターバルを経て91年にリリースされた作品。ここでは白井良明が元気です。 岡田徹が再始動を説得して各メンバーの元を訪れた際に白井良明は「思い切りギターが弾けるならいいよ」と言ったそうですが、実際弾きまくっています…

鈴木慶一『Records and Memories』

記録と記憶。 このモチーフは80年代に「歩いて、車で、スプートニクで」にて示されたものでしたが、今回久々のセルフプロデュースと自身の活動45周年を記念して制作されたソロアルバムのタイトルに起用されました。最初は気付きませんでしたが、本人のインタ…

ムーンライダーズ『Ciao! Mr.Kashibuchi MOONRIDERS LIVE at NIHON SEINENKAN 2014.12.17』

もうあれから半年経つのか・・。 かしぶち哲郎一周忌に合わせた追悼ライブのパッケージ化。その後WOWOWで放送されているのでてっきりDVD化されるのかと思っていましたが、意表を突いてCDでの発売となりました。音の方がリピート性が高いので歓迎すべきことで…