2019-01-01から1年間の記事一覧

TC&I『Great Aspirations』

XTC

XTCのコリン・ムールディングとテリー・チェンバースが久々に組んで2017年に発表したシングル。発売当時は見逃してしまいましたが、GW前に中古屋でひっそりと置かれているのを見て興奮して手に取りました。XTC関連ではどうしてもこうなります。 とはいっても…

ナッズ『Nazz Nazz』

トッド・ラングレンが在籍したナッズの69年リリースの2nd。トッド・ラングレンは先頃来日しましたが、迷いに迷って結局自分はコンサートには行きませんでした。しかしながら、50年の活動を総括する内容、との触れ込み通り、内容は素晴らしかったようで、特に…

YMO『テクノデリック』

YMO

81年にYMOはもう一枚アルバムを出しています。それがこの『テクノデリック』ですが、後から考えるとYMOはこの時点で解散していてもおかしくなかった。はっぴいえんどの『風街ろまん』と同じように、ここでYMOはもう「やり切っている」わけです。その後は文字…

YMO『BGM』

YMO

81年リリースのこの作品がやはりYMOのピークではないでしょうか。この作品の意味合いというのは2つくらいあるように思います。 ひとつはここでリスナーが振るいにかけられたこと。とても美しい反面、とても暗い音楽ですので、それまでの華やかなテクノポッ…

ビートニクス『NIGHT OF THE BEAT GENERATION』disc 2

2枚目に移ります。後半の印象は少し重かった。選曲もあると思いますが、重厚な印象を残しました。1stからの「NO WAY OUT」「Ark Diamant」そして3rdからの「Dohro Niwa」といった楽曲の骨太な演奏は、グッと重心が低くて、前半の爽やかな印象を反転させてく…

ビートニクス『NIGHT OF THE BEAT GENERATION』disc 1

2018年にリリースされたビートニクスの新作『EXITENTIALIST A XIE XIE』の発売を記念して行われたライブの音源がリリースされました。昨年アナログでこのライブはリリースされていましたが、ちょっと高くて手が出せませんでした。こうして完全版としてCDでリ…

ハイラマズ『Santa Barbara』

ハイラマズは『Gideon Gaye』から始まったものとばかり思っていましたが、実はその前に『Apricots』というミニアルバムがあって、それに楽曲を追加してフルアルバム化した本作が先に出ていた。92年のリリースだったそうです。それは知りませんでした。 初期…

サンダーキャット『Drunk』

サンダーキャットのこの作品は2017年のミュージックマガジンの年間ベストアルバムで初めて意識しました。ロックにもジャズにもハウス/テクノにもランクインしていて、一体この人は何なんだろう、と思ったのがきっかけです。非常にジャンルレスな方なんですね…

あがた森魚『ギネオベルデ(青いバナナ)』

2000年以降のあがた森魚は傑作しか作っていないそうですが、こちらは2004年の作品。ドミニカで録音したラテンに接近した音楽でした。 昨今のあがた森魚の多作振りは目を見張るものがあって、ご本人曰く2020年までの20年で毎年必ず作品をリリースしていく方針…

遠藤賢司『東京ワッショイ』

久々に聴いた遠藤賢司の79年リリースのこの作品、何故自分はかつてこの音楽を受け入れられなかったのか、考えながら聴いていました。 元々はセックス・ピストルズとクラフトワークに触発されて制作されたようですが、時期的にも78年の制作ですので、パンクや…

ニルソン『ハリー・ニルソンの肖像』

ニルソンもずっと聴こうと思っていて手を出し切れていなかったんですが、大滝詠一のbotで流れてきたエピソードを見てやっと手を伸ばしました。 「ハリー・ニルソンの肖像」という素晴らしいアルバムがあって。これを店でかけると高田渡氏が必ずこんなことを言…

ジョー・ヘンリー『Civilians』

細野晴臣が『HOCHONO HOUSE』を制作している時に、ラジオ番組で語っていたジョー・ヘンリーの作品。厳密にはプロデュース作品と共に紹介していたんですが、この作品はミュージック・マガジンの2007年ベスト・アルバムでも1位だったので気になってはいました…

マイルス・デイヴィス『Miles Ahead』

57年リリースのマイルス初のビッグバンドとの共演作。きっかけは小西康陽さんのbotでした。 Miles Davis / Miles Ahead - オーケストレーションしたジャズなんだけど、これほど夏の透明感が出ているレコードはないと思う。(91) pic.twitter.com/4dx1e8yTzE —…

遠藤賢司『夢よ叫べ』

令和の一発目は遠藤賢司。96年にリリースされた作品です。実は遠藤賢司はかつて何枚か持っていたんですが、あまり聴かないので売ってしまった経緯があります。誠に失礼千万ですが、やはり内容が濃過ぎて繰り返し聴く気になれなかった。しかしそうも行きませ…

エルヴィス・コステロ『Secret, Profane & Sugarcane』

平成最後の日は雨模様ですね。エルヴィス・コステロのこちらは2009年作品。この頃のコステロはコンスタントに新作を発表していて、当時まだコステロの過去作品を追い切れていなかった自分にはちょっと過剰なリリース量でついていけませんでした。いずれまと…

エルヴィス・コステロ『North』

2003年にリリースされた作品。聴いた印象はとてもシンプルなものでした。ピアノと向き合っているジャズ・ボーカルのような作品ですね。 丁度昨日、ふと思い立ってしばらく前に入手したノラ・ジョーンズのアルバムを聴いていましたが、改めて非常にいい。静か…

トッド・ラングレンズ・ユートピア『Live at The Chicago Theatre』

およそ一年前の2018年5月にシカゴで行われたユートピアのコンサートを収録したライブ盤が出ました。ブルーレイ、DVDに加えてCDもパッケージした4枚組。最近はこうした映像と音源を一緒にした商品が多くなってきましたが、やはり映像はリピート性が弱いので、…

鈴木博文『ピカソ』

鈴木博文の新作が出ました。ここ最近の鈴木博文の作品は残り少ない人生の時間を意識して、作品ごとに荒々しい音が鳴らされていましたが、ここへきてやっと柔らかな音が帰ってきた。これはひとえにサウンドプロデューサーで参加しているゴンドウトモヒコの存…

高橋幸宏 featuring 東京スカパラダイスオーケストラ『Watermelon』

95年にリリースされた高橋幸宏とスカパラのコラボレーションシングル。90年代の高橋幸宏をリアルタイムで追いかけきれていませんでしたので、このシングルも存在自体をだいぶ後になって知ったという体たらくです。 CDシングルには表題曲と合わせて2曲収録さ…

『NON-STANDARD collection -ノンスタンダードの響き-』disc 4

やっと聴き終えました。ノンスタンダードレーベルの集大成BOXセット。聴きごたえ、読みごたえがありました。時期的にも、位置づけ的にも曖昧な、ややもすると形のないものになりそうだったひとつのレーベルの歴史を、きちんと時代的に整理してその意味を位置…

『NON-STANDARD collection -ノンスタンダードの響き-』disc 3

細野晴臣のノンスタンダードレーベルのBOXセット、3枚目まで聴き進めてきました。 この3枚目で抱いた選曲に関する印象は「器楽的なもの」でした。5曲目の越美晴「リップ・シュッツ」からワールドスタンダード「音楽列車」、SHI-SHONEN「彼と仔犬とわたし」に…

『NON-STANDARD collection -ノンスタンダードの響き-』disc 2

2枚目に進みます。昨日聴いた1枚目で時代的な違和感がないと感じたのは、そもそも監修の鈴木惣一朗さんの選曲が「今聴いていいかどうか」という視点で統一されているから、という理由でした。その前提で聴き進めていきましたが、やはりご本人もインタビュ…

『NON-STANDARD collection -ノンスタンダードの響き-』disc 1

先週聴いた大滝詠一のライブが83年で、こちらは翌年84年から3年間存続した細野晴臣のノンスタンダード・レーベルのボックスとなります。 ワールドスタンダードの鈴木惣一朗さんの最近のお仕事はどれも力作ばかりで、今回も渾身の監修となっています。ブック…

大滝詠一『NIAGARA CONCERT '83』disc 3 DVD THE FIRST NIAGARA TOUR 1977/6/20 渋谷公会堂

最後は77年のファースト・ナイアガラ・ツアーのプロモーション・フィルムですが、これは凄い。大滝詠一が動いているだけで凄いですが、当時のナイアガラ・レーベルの全貌を明らかにするような強烈なラインアップで観る者の度肝を抜いてくれます。 シリア・ポ…

大滝詠一『NIAGARA CONCERT '83』disc 2 EACH Sings Oldies from NIAGARA CONCERT

2枚目はオールディーズのカバーを集めたライブ音源集です。多くの曲ではコーラスのみを従えた弾き語りスタイルでの演奏となっており、大滝詠一の歌のうまさがここでも存分に味わえる演奏となっています。 大滝詠一の場合、このボーカルの技術が自分自身に備…

大滝詠一『NIAGARA CONCERT '83』disc 1 NIAGARA CONCERT '83 LIVE JAM 1983/7/24 西武ライオンズ球場

大滝詠一のライブ盤が出るなんて思いもしませんでした。最近は思いもしないことが続きます。しかも映像付きとは・・。 メインはこの83年のオールナイトニッポン スーパーフェス'83というもので、ラッツ&スターとサザンオールスターズ、そして大滝詠一という…

イエロー・マジック・オーケストラ『増殖』

YMO

40周年リマスター再発の第2弾、『増殖』も合わせてリリースされました。こちらはスネークマンショーのコントを挟み込んだ変則的な構成ですが、当時まずこうした作品形態自体が新しかったし、最初は何が起こっているのかよく分からなかった。しかしながら圧…

細野晴臣『HOCHONO HOUSE』

細野晴臣の新譜は1stソロアルバムのリメイクでした。こんなことがあるとは思いませんでしたが、高橋幸宏も『サラヴァ』を歌い直したりしていますし、小坂忠も『ほうろう』を歌い直していますので、左程驚くこともないのかもしれない。しかし、これはリメイク…

イエロー・マジック・オーケストラ『パブリック・プレッシャー』

YMO

YMO40周年再発第2弾、ということで実は久々にこの『パブリック・プレッシャー』を手にしました。本作はCD再発の時も購入していませんので、アナログ以来ということになります。 何故かというと、自分はYMOのライブ盤が余り好きではなかったからです。固定観…

オリジナル・ラブ『bless You!』

4年ぶりにオリジナル・ラブの新作がリリースされました。ここ数年の田島貴男の好調ぶりを反映したとても良い作品です。前作の『ラヴァーマン』でも90年代の『風の歌を聴け』あたりへの回帰が感じられましたが、今回もやはりその辺りが楽しみでした。結果とし…